「時代を見つめなおす装いへ」
「おそらく人類史上初めて、世界中で人間の行動の完全な同期がみられた。」ともいわれるパンデミックは、私たちの生活に大きな変化をもたらしました。 出社控えによるリモートワークの増加等により装いも大きく変化し、部屋着の延長のような着心地と機能を持つ洋服の開発が驚くべきスピードで進みました。 この“新たな装い”は、コロナ禍の生活におけるストレスを軽減する役割を担いました。 一方で、このような一義的な変化は、文化としての洋服の多様性を制限する結果にもつながり、コロナ禍の社会的制約が弱まった現在においてコロナ禍の服装に違和感を覚え始めた方も多いのではないでしょうか。 銀座サワモトの2024 年春夏のコレクションは、そんな時代の方向性を一度ニュートラルな立場から多様に考えられるコレクションです。 ロロ・ピアーナのサマータイムは、定番の商品ながら、素材の配合や色柄を研究し常に時代の一歩先を見据える感性が感じられます。 太い糸を生かした柄と素材感の伝わりやすいフェルラからは、タイムレスなエレガンスを醸し出した商材をセレクトしました。 特徴的なデザインのE.トーマスは、ビンテージのような雰囲気がある素材で今の時代に新鮮に映ります。 グアベロのリベラは、ドライなタッチにデニムエフェクト、ナチュラルストレッチと流行を的確にとらえた万能な服地です。 リニューアルしたPlain & Cottonより、上質なウールに高品質のポリエステルを加える新しさが魅力のベイトマンのウェセックスと、ジニョーネのシアサッカーはご要望の高まりを反映させました。 また、Super120’sを使用したイタリアらしい滑らかさをもつカノニコと、Super100’s を使用し、イギリスのニュアンスを反映させたホーランド&シェリーのシェリー・ストレッチは夏場の定番になりつつあります。 非常に近い色展開なので質感を比べながらお選びいただけます。 夏の主役の一つ、ラルスミアーニのコットンは、ストレッチ性があり今後ますます着用の機会が増すことでしょう。 急速に流れる時代を追い続けていると、いつしか倦怠感が生まれ、洋服の持つ本来の楽しさを忘れてしまいがちです。 そのため、時代に抗うのではなく一歩下がって立ち返り、自分らしい着こなしを見直してみてはいかがでしょうか。